【長崎市】長崎で見つけた新しい人生の設計図REAL TALK
移住者インタビュー

【長崎市】長崎で見つけた新しい人生の設計図
- 荒牧 美代子さん
ミュージカルの舞台に立つ為に大学卒業後に上京。約17年間、東京にて舞台人としての活動や講師活動をしていた。
しかし、コロナウィルスによって生活が激変。生活の維持が厳しくなり、精神的にも不安定に。
新しい人生の設計図を描くため、長崎に帰郷した荒牧さんの新たなチャレンジと、地方でもできる取り組みをお聞きしました。
東京で出合ったピラティスが自分の生業に
私は、8歳からダンスを習い、将来の夢は舞台で活躍することでした。しかし親の説得もあり、まずは福岡の大学に4年間在学し、それからミュージカルを学ぶため、大学を卒業してすぐの22歳で上京しました。東京ではダンス、歌、芝居と舞台関係の経験を積み上げていったのですが、ちょうど30歳の時に膝を痛めてしまいました。過酷なステージで体が悲鳴を上げていたのです。
身体を休ませないと踊り続けることが難しくなるかもしれないと考えていた時、たまたまピラティスの体験チラシがポストに入っていたのです。心と身体の両方から治療していくピラティスには以前から興味を持っていたこともあり、行ってみることにしました。体験が終わり「こんな感じかー」とドアを開けてスタジオの階段降りたときに、身体の感覚が全然違うことに気づいたのです。その瞬間にすぐ資格を取ろうと決め、翌年にピラティス指導者の資格を取得し、その後マットピラティスの上級者指導資格や、産前・産後の方の指導、高齢者の指導資格を数年かけて取得。表情筋を含めた首から上の頭頸部の正しいケア・リハビリの為の、英国予防医学機関が開発したフェイスエクササイズのマスターインストラクター資格も取得。これが指導者としての仕事の可能性を大きく拡げてくれた転換期となりました。
コロナウィルスで日常が激変。人生の舞台を長崎へ
2020年はコロナウィルスにより日常が一変してしまいました。2月末あたりから教えていたヨガスタジオやカルチャーセンターなどの施設も休業。銀座などの会議室を借りて、フェイスエクササイズのクラスもやっていましたが、それもできなくなりました。3月以降はオンラインでピラティスやフェイスエクササイズの指導もしてきましたが、3月頃から人と会うことに制限がかかってくると、精神的に少しずつ疲弊していきました。
独身でしたから、より寂しさも募りました。貯金も底をつき、給付金もまたたくまに消え、もう何も考えられなかったですね。そんな時に10数年お世話になっていたボイトレの師匠から、「漠然とではなく、きちんと人生の設計図を立てましょう」とLINEメッセージが届き、まさに真意を突かれたようで涙が止まりませんでした。そして、長崎に帰ろうと。東京というこの土地にこのまま居るという未来が見えなかったのです。
長崎に戻ってきたのが、8月1日。実に22年ぶりの長崎での生活です。本当はひとり暮らしをしようと思ったのですが、お金もないのにそんなことするな、と父親に怒られまして。まさかの22年ぶりに親と暮らしています。8月5日は私の誕生日だったのですが、記念すべき40歳の誕生日は自宅待機でした(笑)。
地方にいても、オンラインで最新レッスン情報を得られる環境あり
若い人から高齢者まで。セルフケアで豊かなライフスタイルを提案
今、長崎から舞台人としてのプロを目指す中高生の指導をさせて頂いていますが、希望しかない若者はキラキラと輝いています。私が東京で学んだことをしっかりと伝えていきたいと思います。若い方の指導もそうですが、高齢者に向けた指導にも力を入れたいですね。東京では、社会福祉施設で60歳〜90歳くらいまでの方を対象に、ピラティスと表情筋のエクササイズを行っていました。脳梗塞で顔面神経麻痺の既往歴があるお客様の表情が次第に豊かになっていったことは印象的でした。あとは嚥下や誤嚥の予防に繋がる、舌の筋肉を鍛えるエクササイズ。コーラスを習っている方もいらっしゃったのですが、歌が歌いやすくなったという方もいました。さらに、ほうれい線が薄くなりました!とか、眼鏡がずり落ちないようになった、リップラインがハッキリしてきて口紅が塗りやすくなったなど、嬉しい言葉を聞いてきました。高齢者の方の頭頸部のケア(表情筋を含む)のクラスは長崎でも是非やっていきたいですね。長崎の人々を元気にする。それが私の今の目標です。