- 移住年
- 2020年
- 職業
- 島原市地域おこし協力隊
地方に住むことを夢見て、一大決心で島原市へ。
首都圏とはまったく違う驚きの文化に興味を持ち、豊かな食材と人の温かさに励まされる日々。
大学まで学んだ地理の知識を活かし、新しい観光PRを模索する火山女子・倉林さんをインタビューしました。
憧れの海があるまちに住んでみたい!を実現
私は生まれも育ちも埼玉県で、大学を卒業してからは、クレジットカード会社で6年間働いていました。多忙な日々の中でも時間を見つけては、ひとり旅をしていたのですが、瀬戸内を訪れた時に、たまたま地域おこし協力隊の方と出会い、「こんな仕事もあるんだ」と興味を持ちました。もちろん、ずっと関東に住んでいて、地方というものがどんな感じなのか、好奇心を持っていたのも事実です。いつかは地方で暮らしてみたい!そんな漠然とした思いを持っていました。それから、東京で行われている移住転職フェアに行くようになり、長崎県ブースに出会ったのです。島原市の方に熱心に誘って頂きました。実は以前、島原旅行をしたことがあり、大好きな火山と、埼玉県にはない憧れの海に囲まれていることも知っていました。これも決め手となり応募し、2020年4月に採用が決定。7月末に島原市へ移住してきました。
島原半島ジオパークへの興味から生まれる新しい企画案
大学で地理を学んでいたこともあり、ジオパークには興味がありました。ただ、島原半島が世界ジオパークの国内第1号であることは、ここに来て知りました(笑)。この素晴らしい火山を観光に繋げられるようなことをしたくて、島原半島ジオパーク協議会の方と市内を歩いて勉強しています。小学生向けの「ジオ学習」の様子も見学しました。
実は、普賢岳の裾に、江戸時代に噴火した時に流れ出た溶岩に登れるスポットがあります。昔は遠足でよく行っていたという地元の方も多く、新しい観光スポットにできたらいいなと思っています。今はまだ準備段階ですが、お弁当を作っている地元の業者さんと協力して火山の恵みを感じる弁当や、火山の噴火の歴史を感じる観光マップを作ろうと計画中です。
人々の優しさに感謝しつつ、島原の魅力をPRしていきたい
着任最初は、商店街のイベントのお手伝いをしました。地元にはアーケードがないので、とても新鮮でした。空き店舗前でハンドメイド作家さんがマルシェを開いたり、お弁当屋さんやお菓子屋さんが出張販売をされたり、商店街の方が一生懸命企画を考えて活動されているので、少しでもお手伝いができればと思っています。それに、商店街の人々がとても親切に接してくださって、私のことを応援してくださいます。とてもありがたいなと感じています。その期待に応えられるよう、もっと島原半島を全国区にするため、いろいろアイデアを考えているところです。 アイデアはこれからですが、島原の野菜がとても美味しいことにも驚きました。大根と人参を生で食べたのですが、あまりの甘さに驚きました。島原そうめんもとても美味しいですし、この大地の恵みも、もっとPRしたいと感じています。せっかく県外から移住してきたのですから、第3者の目で島原市を見つめ、広くは知られていないスポットを見つけ、全国にPRしていきたいです。
何事にも好奇心を持って見つめていくことが大切
島原の文化行事で驚いたのが、お墓での花火です。夕方になるとパーンパーンと聞こえてきて、埼玉県では考えられないほどビックリしました(笑)。これから移住する方には、このように土地の文化を楽しんでもらいたいですね。好奇心旺盛な人、柔軟に対応できる人がいいんじゃないかなと思います。私も、好奇心を持って島原半島のいいところを見つけるため、ドライブしています。雲仙温泉も好きですし、南島原市の早崎という岬もいいですね。
海に憧れていましたから、時間があれば海を見つめています。島原市だと「秩父が浦公園」がお気に入りです。有明海が見渡せるのはもちろんですが、振り返って山手を望むと江戸時代の噴火で崩れた眉山と、平成3年に新しく誕生した平成新山が重なって見えます。2021年は平成新山ができてから30年。私と同じ年なんです。そこにも強い縁を感じています。