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【対馬市】マイペースに豊かに生きる。対馬らしさを感じる集いの場で、まちを照らすREAL TALK

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移住者インタビュー

【対馬市】マイペースに豊かに生きる。対馬らしさを感じる集いの場で、まちを照らす

  • 熊本 智明さん
Uターン 大阪府 → 長崎県対馬市
2020年 自営業

対馬市厳原町に2021年にオープンしたコーヒーショップ「YELLOW BASE COFFEE」
地元の人や観光客、移住者が出会い、つながる場所です。
オーナーの熊本さんは対馬出身で、22年ぶりの対馬暮らし。
対馬の活性化に繋げるために「対馬らしく、人が集まる場所」を通して対馬の魅力を発信している熊本さんの活動についてお伺いしました。

今だからこそ新しい対馬の価値を生み出せるかもしれない

18歳の時進学のため島を出たので、対馬に住むのは22年ぶりです。

21歳から博多一風堂というラーメン屋で働いていて、
社内の「暖簾分け制度」を利用して29歳の時に自分の会社をおこし、大阪で2店舗経営していました。

 

対馬に帰ってきたのは40歳になる手前です。
30代前半からいつか対馬に・・・と漠然と考えていましたが、
本格的に考え始めたのは帰ってくる1年前くらいです。

 

もともと人混みとか苦手だし、大阪でお店を経営していた時も都市部ではなく地方に興味がありました。
博多一風堂は全国にありますが、その中でも地域に応援されるお店づくりをしたくて、試行錯誤していたこともありました。
でもいろいろと経験する中で、何かやるのであれば大阪ではなく地元の対馬で何かしたいと、年々強く思うようになりましたね。

対馬に帰ってきたのは2020年5月。コロナ禍、真っ最中。最初の緊急事態宣言中でした。
コロナが広まる前に帰ることを決めて準備していたので、まさかこんなことになるとは想像もしていませんでした。

 

対馬にはコロナ前、年間40万人くらいの韓国人観光客が来ていたんです。
仕事が忙しくなかなか帰省ができていなかったので、その現状はあまり詳しくないですが
その当時、たまに帰ると団体で町中を歩いている韓国人観光客を多く見かけました。


韓国人観光客が消え、対馬の町は寂しいように思いましたが、
その一方で観光のあり方を考え直す良いきっかけになるのではないかとも思いました。

おこがましいですが、今なら新しい対馬の価値を生み出せるんじゃないかと思ったんです。

人がつながり交流できる場としてまちに灯を燈したい

ただ、実際に帰ることは決めたものの、何をやるか全く決めていませんでした。
実家は旅館を営んでいて、その隣に父がやっていた「RON」という中華料理店があったのですが
その場所は使っていなくて、好きに使っていいよと言われていました。

 

これまでの経験を活かして”対馬ラーメン”を作ることも考えましたが、
人が集まって出会う場所を作りたいなと思って、コーヒーショップをやろうと。
ラーメンは毎日食べられないけど、コーヒーだったら地元の人や観光の人も気軽に立ち寄れるんじゃないかと思ったんです。


YELLOW BASE COFFEE(イエローベイスコーヒー)という店名の由来は “一燈照隅(いっとうしょうぐう)”という言葉です。
大きなことを成し遂げる前にまずは自分自身がいる場所を照らすことから始めようという意味で、一風堂時代に出会った言葉です。
対馬を元気にしたいとか盛り上げたいとか、そんな想いはもちろんあるのですが、
まずはこのお店がまちの灯りとなって、対馬に住む人も対馬を訪れた人もふらっと立ち寄って、
対馬のおすすめスポットを教えあったりできるような「対馬らしく人が集まる」場所になればいいなと思っています。

お店を始めて1年経ちましたが、本当にいいお客さんに恵まれています。
強く印象に残っているのは、とある常連さんで転勤族の方がいたのですが、
年度末に対馬から離れることになったんです。
それで最後の日にお店に遊びに来てくれて涙を流しながら感謝を伝えてくれました。
「喧嘩したら夫が、ここのコーヒーをテイクアウトしてくれて一緒に飲んで仲直りした。このお店ができてから夫婦仲がよくなった」って。
そういうお客さんがいらっしゃってくれたことに本当に感動しましたね。

デザインされた空間でオープンに人がつながる場に

YELLOW BASE COFFEEはドリンクメニューを中心としたお店です。
”スタバ”のようなラインナップだと思ってもらえればいいと思います。

なので、ランチはやっていないのですが、対馬ではそういったお店が珍しいようで
お店を始める時にいろんな人から「なんで食事はやらないのか?」「コーヒーだけじゃ無理だ」とか言われましたね。 
まだ2年目なのでこの答えは出ていないですが、観光客も少ない中、地元の方に助けていただいてなんとか頑張れています。

あとはお店作りの点でも色々と意見をもらうことはありましたね。
「外から誰がお店にいるかわかると面倒だから、お店の入り口は隠した方がいい」とか、
「知り合いに会うのを嫌がる人が多いから、席は全て個室にした方がいい」とか。

これは島あるあるなのかもしれませんが、どこで誰が何をしているかが筒抜けなんですよ。
良いことも、悪いこともすぐに広まります。SNSより口コミの方が拡散力がすごいんです。

だから、ちょっと隠れたくなっちゃうのかもしれませんね。気持ちはとっても分かります。
でも、「対馬らしく、人が集まる」という明確なコンセプトがあったのでその意見はちょっと無視させてもらって(笑)
オープンな空間にすることにしました。
コーヒーをふらっと飲みに来れば、誰かに会えて、話をして、つながっていく・・・そんなポジティブな作用につながればいいですよね。 
       

空間のデザインは福岡にある建築事務所スタジオモブさんにお願いしました。
想いをデザインにおとしてくれて、対馬の大工さんと一緒に素敵な空間を作ってくれました。
実際に「対馬じゃないみたい」とお客さんに言っていただくことも多くて。 
デザインされた空間として価値を感じてもらっているように思います。

とは言っても、正直、高校生の頃はすぐに話が広がってしまう対馬のコミニュティの狭さが煩わしいと思っていましたね。
ファッションも好きだったので、雑誌を読んでは都会に憧れていました。

 

でも島を出て、都会で生活する経験をして対馬に戻ってからは、人と人との距離が近いこの感じも悪くないと思うようになりました。
対馬で出会う人は、初めましての人でもだいたい共通の知り合いがいて、すぐに仲良くなれちゃいます。
まあその反面、対馬の人はシャイな人が多くて共通の知り合いがわかるまでは警戒心強めな人が多いかもしれません。これも島あるあるかもですね。
Iターンの人は大変な面もあるかもしれませんが、ちゃんと心を開いて向き合えば、すぐに仲良くなって釣れたお魚とか貰えますよ(笑)

ストレスをなくすために付き合う人の選択肢を持つ

対馬に帰ってきてからは「豊かに生きる」を夫婦のテーマとしています。
大阪のときと比べたら給料も低いですが、お金だけじゃなくのんびりマイペースに仕事をしたいと思っています。

大阪時代は追われていた感覚があって。
お店を経営していたことは70人くらいのスタッフを抱えていて楽しさもありつつ、やらなければならないことに時間を取られることが多くてそれがきつかったです。
それで「やりたいことをやる」という豊かさを求めるようになりました。

実際に今はすごくストレスフリーで生きています。
仕事も楽しくやっていて、そもそも仕事の感覚でやってないですね。(笑)
お客さんと一緒に座ってコーヒー飲んで、ちょっと混んだらエプロンを脱いでお客さんのふりをして、あとは妻に任せたり。(笑)それが許される対馬が最高です。

 

ストレスをなくすために、「何をやるか」よりも「誰とやるか」をとても大事にしています。
YELLOW BASE COFFEEを始めてから本当にたくさんの面白い人と出会うんですよ。
まだまだ2年目の小さなお店ですが、面白い人と楽しいことができるよう頑張りたいと思ってます。

人が魅力の島で、人と出会える場所を作りたい

移住された方や観光客がお店に来てくれていますが、もっと拠点となれるような場所を目指していきたいです。対馬の魅力はやっぱり人なんですよ。純粋で人間らしくて。
訪れた人や今後対馬に住んでみたい人が地域の人と接点を持てると面白いと思うし、
暮らしに接する機会をお店から作っていければ面白いなと思います。

YELLOW BASE COFFEE