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【小値賀町】移住は「ただの引越し」自分がそこでどう生きたいかREAL TALK

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移住者インタビュー

【小値賀町】移住は「ただの引越し」自分がそこでどう生きたいか

  • 長谷川 雄生さん
Iターン 東京都 → 長崎県北松浦郡小値賀町
2017年 自営業(民泊経営)

3年前、東京から小値賀町に「Iターン移住」された長谷川さん。東京では建設コンサルタントで会社員として働いていましたが、自分の仕事に対して違和感を感じることがあったり、奥様が島で宿をやりたいとのことで移住を決意。現在は「暮らしを育む家・弥三(やさ)」で民泊を行っています。
そんな長谷川さんにお話を伺いました。

小値賀町に移住したきっかけ、経緯を教えてください。

私は大学卒業後、就職を機に東京に行き、建設コンサルタントの会社で働いていました。

仕事は主に街づくりに携わる仕事をやっていました。

ただ働いているうちに仕事が面白くなくなったというか、違和感を覚えるようになりました。私が勤めていた会社は自治体の仕事を請け負っていて、私は街づくりの仕事で地方に携わることが多かったです。
しかし、出張で地方へ行って、東京に帰ってきて、東京の机でその街のことを考えるという仕事の仕方に、これでいいのかなと違和感を覚えて、その時はなんとなくですが、実際にその地域で住みながら仕事をした方が面白そうだなと思い始めたのがきっかけのひとつでした。
それに加えて、妻がいきなり「どこかの島で宿をやりたい」と言い始めたことです。最初は「なんじゃそりゃ」と思いましたが、まあよくよく考えると宿も面白そうだなと思い始めて、実際に色々な田舎に行ってみたり、「地方に住むってどういうことだろう」と考えたり、情報収集などを始めました。それが26歳か27歳くらいの時で、実際に移住したのが31歳くらいの時ですね。

移住を考え始めてから、実際移住をするまでに5年くらいありますが、その間は移住に向けてどんなことをされていましたか?

この5年間がとても大事な5年でした。

どこに移住するか、どこで宿をやるかと候補地を探し回ったり、たまたまですが、日本の古い民家のことを勉強する機会があって、そこで古い民家とか昔の人の暮らし方にすごく魅力を感じ、それが現在の宿のスタイルになっています。

また、この5年間で一番変わったことが、「生き方の価値観」です。

ある方の話を聞く機会があり、その中で「コミュニケーションは自分と相手で話をすることだけと思いがちだけど、自分自身との対話もコミュニケーションの一つだよ」という話を聞きました。その時にハッとして、今までは人の顔色を伺ったり、仕事も社会貢献だと思ってやったりとかそういうことばっかりを考えていて、自分自身が楽しいとか嬉しいとかいう気持ちを無視してやっているんじゃないかと気づかされたんです。それからは「自分のために生きる」ということをモットーに生きています。

現在はどんなお仕事をされていますか?

「暮らしを育む家・弥三(やさ)」という民泊の宿を経営しています。

うちは「暮らしのおすそわけ」というキーワードで民泊をしていて、例えば僕たちは今、お風呂は薪風呂で、調理も炭火を使ってするという生活をしています。こういう暮らし方をおすそ分けすることで、こういう暮らし方もあるよ、こういう生き方もあるよっていうのをお客様に体験してもらい、ゆくゆくはこういう暮らしを自分もやってみたいという人が出てきたら楽しいなと思ってやっています。

民泊をやっていて楽しいことはなんですか?

普通にサラリーマンをしていたら、今まで出会うことがなかったような人とたくさん出会えて友達になれることですね。

この前も、お客様としてここに泊まりにきてくれた人のお店に、逆に僕たちが遊びに行ったり、泊まりに来たDJの人と仲良くなって、今度ここでライブをやることになりましたよ。本当にいろんな人との繋がりが増えました。

移住してよかったことはなんですか?

たくさんありますが、一つは自分のやりたいことが出来てるのでストレスがなくなりました。あと、ご飯が美味しいですね。うちは炊飯器がなくて、ご飯も七輪に炭火を入れて土鍋で炊くので、さらに美味しく感じますね。

それから、私たちは昔の日本の生活をしていて、薪風呂だったり、エアコンがなかったりとかなんですけど、なんでこんな生活をしているかというと、自分の生活が誰に支えられているか見えなくなるのが怖いという思いがあるんです。例えば、コンビニのパンって誰が作って、誰が包装しているのかわからないじゃないですか。スーパーで売っている魚も誰が釣って誰がさばいているかなんてわからない。

小値賀の良いところは、それが目に見えるんですよね。例えば、誰がこの魚を釣ってくれたのかがわかるんですよね。人口が2300人くらいしかいないので。だから誰が物流を担当しているか、誰が新聞を配達しているか、誰が魚を釣っているか、誰がお店をやっているか、っていうのがある程度わかる。自分の生活が誰に支えられているかというのがすごくわかりやすくて安心できるんですよね。こういう安心した生活ができるのが小値賀のすごく良いところで、移住してよかったなと思いますね。

移住して困ったことはありますか?

人間関係が大変なところはあると思います。人間って性格的に合わない人は合わないじゃないですか。例えば、昨日の飲み会で大げんかをして別れて、次の日同じ商店で顔を合わせることもあるかもしれません。これが東京だったら、ほとぼりが冷めるまで合わないことも出来ると思うんですけど、小さい島や、地域だったら、嫌でも会う可能性が高いですよね。
そういう時に、素直に昨日はごめんって言えるかどうかとか、合わない人とは合わないって割り切るとか、気持ちは必要かも知れません。

ただこれも表裏一体で、関係が密な分、助け合って生きていけるんだと思います。僕たちも多くの人に助けられながら生きていますし、それは嬉しいことですよね。

あとは病院が不便ですね。診療所はあるんですけど、先生は1人しかいなくて、全ての分野を専門的に網羅出来るわけじゃないじゃないので、何かあると佐世保の病院まで船で行かないといけないのでそれは大変ですね。

移住する前後では生活にどんな変化がありましたか?

時間に対する考え方がすごく変わりました。東京にいる時は便利なものを使って出来るだけ時間を短縮して、その分仕事や睡眠に回していました。

今は薪風呂とか炭火とか、日々の生活と比べると東京時代よりも多くの時間がかかるのですが、それを時間の無駄だからこの生活やめようとは思わないし、逆にお風呂が沸くまでの間に読書したりとか、他のことしたりとか、有意義に使えているなと感じます。

あと、家賃が0円なのも大きいですね。東京では家賃に10万円くらい払っていたので、 10万円分働かなくていいんだと考えるとすごく大きいですよね。その分他のことに時間が使えるので。

これからについて教えてもらえますか?

ゆくゆくは僕らより若くて、同じような生活がしたいという次の世代にこの事業を任せたいですね。

その時は僕ら夫婦はまた別の物件を探して、新しいことにチャレンジしていきたいです。

やるかどうかもまだ未定ですが、例えば料理をコースで出したり、ピザ窯を作って出来立てピザが食べられるようにしたり、1日1組限定の宿にしたりとかです。

まずは次の世代が僕らみたいにチャレンジしやすい環境を残せるようにこの宿を軌道に乗せて、引き継いでくれる人が安心してできる土台を作っておきたいですね。

最後に移住検討者へメッセージをお願いします。

「自分がどう生きたいか」っていうのを大事にして、移住先を検討されたら良いと思います。

「移住」というのは結局「ただの引越し」なので、大事なのは「自分がどう生きたいか」っていうことなんですよ。役場からの依頼で移住検討者の方といろいろお話しすることがあるのですが、たまに「移住が目的」になっているような人がいるんですよね。

引越しが目的で引越しする人なんてあんまりいないじゃないですか。ただこれが移住ということになると目的化してしまう人がたまにいるんですよね。

なので、移住先でどう暮らしたいのかっていうのははっきりとさせたほうが良いと思います。例えばそれは、ただ海の近くで釣りして暮らしたいでも良いですし、正解はないので。あと、移住先をどこにするか皆さん各地回ったりすると思うんですけど、そこで頼れる人を作ることが大事ですね。頼れる人がいると安心して移住することができます。

僕たちもそうだったんですけど、それが移住の決め手になりました。

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