2024.02.20

移住者体験談

【大村市】交通利便性で選んだ大村からトレンド発信

「カリスマ美容師」に憧れて上京

職場の美容室で取材を受ける山本さんご夫婦

南島原市で生まれ育ちました。

「カリスマ美容師」に憧れて福岡の美容学校に入学し、志(こころざし)を抱いて東京の美容室に就職しました。

都内の有名店で仕事をさせていただき、多くのヘアカタログ専門誌に掲載されるなどトレンドを発信してきて、店長も務めました。しかし、南島原市で一人暮らしの母親が高齢化してくるにつれ、自分が面倒を見たいという思いが年々強くなってきました。

このため2~3年かけて準備し、2021年3月、故郷に近い大村市に移り住み、美容室「ヘアーサロン シャメル」を同年9月に開業しました。

トレンドについていけるよう、仕事の質を落とさないよう、上京してセミナーを受けたり、SNSでの情報発信を心がけたりしています。時折、東京時代のお客さんが飛行機で来られます。

美容室は同じ年で同じ美容師の妻と2人。午前10時から店を開け、多い日で15人くらいのお客さんを担当すると、午後10時頃まで仕事をします。

毎日とても忙しく、子ども2人が家に居る日曜日はお休みにさせていただいています。美容室の店舗兼自宅は東京のデザイン事務所に設計してもらいました。店舗正面の上には大きな「+」の模様が入っているので、ご近所の方は「教会ができる」なんて思われたらしいですが、分かりやすいようにと考えたデザインなのです。

職場の美容室での山本ご夫婦とお子さん二人

空港・新幹線・自動車道そろう立地条件

今の場所を選んだのは何よりも交通利便性です。羽田行きが1日15本程度ある長崎空港まで車で15分です。

移住翌年の22年9月に西九州新幹線が開業し、大村から長崎まで15分、博多までは1時間20分と近くなりました。全線開通すれば博多まで50分程度と聞きます。その新幹線駅新大村駅と長崎自動車道大村インターチェンジ入り口までは車でいずれも5分程度しかかかりません。

東京で住んでいた小平市からの通勤は電車で30分余でしたが今はゼロ。

南島原市の実家までは車で1時間45分と実家が格段に近くなりました。

JR新大村駅前で写真撮影する山本さんご家族

移住・創業の支援金制度を利用

移住して転職(美容室を替わる)か?自分で創業するのか?考えました。

東京のよろず支援拠点やながさき移住サポートセンター東京窓口などに相談に行き、創業しようと決め、長崎県の移住支援金(注・世帯100万円)や創業支援金(注・最大200万円)を受けられるよう手続きをしました。

コロナがまだ流行しており、家探しも東京から遠隔で進めるのが大変でした。

しかし、私自身が物事を計画的に進める性格で、長女が小学校に入学する前までと目標を決めていましたので、苦にはなりませんでした。妻にも結婚前から「長崎にUターンするかもしれない」と言っていました。

支援金が役立ちましたが、行政からお金が振り込まれるのは移住後になるので、当面生活できる自己資金の確保が必要でした。

家族の理解が何より大切

自宅近くの公園で飼い犬と遊ぶ山本さんご家族

住み始めてすぐは、病院やスーパーなど生活に必要なものがどこにあるのか不安はありましたが、知ってしまえば生活しやすい環境。道も広いし、街はきれいです。

ビルが立ち並び、人であふれた東京で生まれ育った妻は、広い空と近くに畑や川、海がある生活を喜んでくれています。家族の理解が何よりも大切です。

毎朝お会いする近所の方々や通学の小中学生もみんな挨拶をされるのも気持ちが良いですね。休日は家族4人でジェラート(氷菓子)屋さんに食べに行ったり、夏は市民プールや渓谷などに行ったりして過ごしています。小学校2年と3年の娘2人も釣りや自然が大好きで大村の生活にすぐなじみました。

ジェラートを食べる山本さんご家族

移住して良かったのは、何よりも子どもと過ごす時間が増えました。子どもが学校から帰って来るのを迎えられるし、川遊びや虫取りを一緒にできます。東京時代は飼えなかった犬は現在3匹。犬の散歩も家族で安らげるひとときです。

美容室を何歳まで経営するかは、まだ決めていませんが、将来は犬のトリミングサロンも経営してみたい。夫婦で世界一周の船旅にも行きたいと思っています。

自宅近くの土手を散歩する山本さん家族