2024.03.07

移住者体験談

【大村市】古里に貢献できる仕事を求めて

名古屋・大阪・東京で18年生活

職場前で取材を受ける竹下さん

生まれ育った長崎市の高校を出て、名古屋の大学で歴史を学んだあと、洋服に興味があったので大阪の繊維商社に就職しました。

アパレルメーカーに生地を売り込むなど、営業と営業企画の仕事で、大阪と東京で計14年間働きました。労務環境などはとても良い会社でした。

長崎と長崎以外での生活が同じ18年となった昨年、これからの生き方を真剣に考えました。

お金を稼ぐことだけ、それだけをモチベーションに働くのは少ししんどいと感じ、誰かの役に立っているという実感がわく、公共性が高い仕事がしたいと思うようになったのです。

気持ちと会社の理念がマッチ

職場の会議室で取材を受ける竹下さん

Uターンも選択肢の一つと思い、移住に役立つ様々な特典が利用できる無料会員制度「ながさき移住倶楽部」に登録。2022年秋に大阪で開かれた相談会で、今までの仕事の内容をお話しさせていただいて、私の職歴にマッチしそうな仕事を紹介していただきました。

その中にオリエンタルエアブリッジ株式会社(ORC)もあり、試験を受けて、2023年1月に合格通知をいただきました。生まれ育った長崎に貢献したい、利益追求だけではない仕事で社会貢献したいという気持ちと会社の経営理念がマッチしました。

正直に言うと両親は「せっかく大手に入ったのに…」と微妙な反応でしたが、今はいつでも実家に帰ることができますし、一緒に旅行にも気軽に行けますので、将来は良かったと言ってもらえると思います。ただ、私はたまたまうまく職が見つかりましたが、仕事を探すのはやはり大変。大阪にいると長崎の職の情報は少なかったですが、転職支援があって助かりました。

地域に貢献し喜んでもらえる航空会社を目指して

長崎空港から飛び立つ機体

ORC入社は2023年4月。今は大村市内の賃貸住宅から車で15分程度かけて通勤しています。経営企画の仕事は多岐にわたっていて、これから会社をどういうふうに進めていくかとか、年間予算や計画を立てたりします。

今までと全く違った業界。ゼロからのスタートという気持ちで開き直れました。新しいことをやるのは楽しい気分です。

また、仕事は古里のために役に立っていることを実感できます。

会社としての経営は大きく分けて2軸あります。長崎空港と県内の五島・壱岐・対馬の離島間は公共性の高い事業として県民の方の生活路線を守ります。もう一つは福岡や中部を基盤として宮崎、小松、秋田等を結ぶ路線を運航し、そこで利益をいかに出していくかを追及しています。

また、地方の航空会社ですけれど、多くの航空ファンの方がいらっしゃいます。

長崎空港内で停止中の機体

会社でイベントを開くと遠方からもお越しになられます。そういった方に支えられている、喜んでいただける。私が言うのもおこがましいですけど、そういう世界に身を置いていると実感できて、仕事のモチベーションにつながっています。

職場の方々はとても親切です。完全に業界初心者の私に丁寧に一から親切に教えていただいています。ただ、今、1人で完結できる仕事はほとんどありません。早く仕事を覚えて会社の戦力になれるように頑張ってやらないといけないと日々感じています。

デスクで業務を行う竹下さんと同僚

お金と時間を大切に生きる生活

Uターンして、丁寧に生活するようになりました。お金もしっかり考えて使うようになりました。都会では気持ちがせかせかして、いろいろなものに追い立てられていましたが、時間も大事に使うようになったと思います。無駄な時間は減ったし、穏やかに生活できていると感じます。

長崎でゆっくりとした気持ちで生活ができるのは私の中ではメリット。そして、やはり親切な人が多いと感じます。あと、魚が美味しい。戻ってきてすごく感じます。

移住は決めたら戻れないです。私もぎりぎりまで迷いました。大阪や東京から長崎への移住はかなり環境が変わります。

私は長崎出身ですから分かっていましたけれど、Iターンの方はリアルに想像してみられる必要があると思います。私は独り身だから自由にできましたけれど、ご家族がいらしたら理解がないといけない。移住してみないと分からない部分はあるとはいえ、できるだけリアルに想像された方がいいかなと思います。

私自身もこの先、後悔はする時はあるだろうし、戻って良かったと思う時もあるでしょう。やはり、最後は思い切って決めることが必要だと思います。やってみないと分からないです。

長崎空港前で取材を受ける竹下さん