2024.02.29

移住者体験談

【長与町】長崎で「花」を極め、「庭」もできるデザイナーに

前職はブライダル会社の花事業を担当

職場で取材を受ける片野さん

出身は埼玉県草加市です。

最初の就職は不動産業界でしたが、動植物やデザインが好きで26歳の時に生花店に転職。28歳で前職のブライダル会社に就職しました。

社員およそ1,000人。ブライダルがメインの会社で、ホテルや飲食など5~6事業ある中の花事業部にいました。

転勤が多く、長崎や福岡、東京、大阪を転々としました。

コロナ転機に「花を極めたい」

職場で取材を受ける片野さん

2020年にコロナが流行し始めました。当時、切花をツールとしたイベントの企画や装飾、ブライダルの装花を年1,000件以上施工している福岡エリアを担当しておりましたが、仕事が激減。

担当エリアの経費削減や、人員の見直しなどの業務の割合が増え、新たに挑戦ができる機会も減ってしまい、年齢的に、緑を職業とする自身にとって、キャリアが伸び悩むことに、懸念を感じ、転職を決意しました。

また、キャリアと同等に重要だと感じていた、住む場所に関して、妻の出身地である長崎市なら、子育てや、自然、人との繋がりなど、家族の人生が豊かになるのではないかと感じていました。

しかし、長崎市に移住となると、市場的に今まで培ってきた自身のキャリアの需要が少なく、給料や待遇など、妥協をしなければならない可能性が高く、転職先は、他業種も含め視野に入れる必要がありました。

ちょうどその頃、転職先の大阪府で、ながさき移住サポートセンター主催の転職個別相談会があり、参加。担当の方に相談し、条件の良い企業を数社ご紹介頂きましたが、仕事内容や給料面などを考えると、移住を決断できませんでした。

思い悩んでいる中、妻から、長崎市出身の世界的な庭園デザイナーの石原和幸さんが長崎拠点の三原庭園という施設を運営していると聞き、社員の募集が無い中、担当の方が面接まで漕ぎ着けてくださいました。

石原代表も切り花から事業をはじめ、庭園に事業をひろげたことを知り、自身のキャリアを活かし、経験を積んでいける世界が広がっているのではと希望を胸に、思い切ってながさき移住サポートセンターを通じて面接を申し込みました。ありがたく22年元旦付に入社させていただきました。

ながさき移住サポートセンターは採用決定後のやり取りにも入ってくださいました。相談から転職まで半年ぐらいでしたが、おかげで入社までもスムーズに行きました。

長崎だからできるキャリアアップ

職場の三原庭園で取材に応じる片野さん

今の一番の働きがいは、前職や個人では受注が難しいと思っていた、知名度が高く、コンペにも参加できないクラスの案件を営業から施工まで担当できること、なおかつ、石原代表の人脈で、普通では会えない人とつながれることです。石原代表はタフでいつもパワーがみなぎっていて、新しい案件には新しいデザイン、さらにスピードと質と量を求めます。それに巻き込まれている感じですが楽しいです。

移住するにしても仕事が伴わないと成り立たず、うまく生活できません。私は、幸運にもキャリアを積める環境にいます、移住後もバリバリやるぞと決意と覚悟を持って働けています。

弊社は、庭園デザイン、造園業、商業施設運営など、花や庭を通して町づくりを発信する事業が主軸ですが、空き家をどんどん買ってリフォームし、移住する人に貸したり、私は、勤め先の三原庭園を利用し、孤児を支援するイベントを弊社代表の石原と運営をしています。

本業以外にも、社会貢献やビジネスチャンスがあればなんでもチャレンジするスタンスです。

現在、妻と1月に生まれた長女との3人暮らし。長与町の自宅は妻の実家に近く、通勤は車で15分程度。何かあってもすぐに自宅に戻れるので安心です。加えて、長崎は本当に人が優しい。人脈も広がりました。

仕事中心の生活ですが、出勤前に趣味である釣りに出かけ、毎朝8時からのオンラインミーティングから仕事を始める日もあります。石原代表から『釣りが好きだったら、接待など、仕事にも役立つから船舶免許取らんね』とのことで船舶免許も取得しました。枠に捉われず、趣味も仕事に活かせています。

<石原代表の話>「第2の長崎」をつくりたい

三原庭園のイメージ画像

長崎は人口流出が続いていますが、逆に考えるとチャンスだと思います。食事もおいしいし、観光もいっぱいできますが、観光客に提案している会社が少ないと思います。

原爆で被爆し、その前から潜伏キリシタンでずっとこの町を守ってきた先祖があって今があります。食と景色、地形、歴史を売りにしなくてはいけない。

第2の長崎をつくりたい、町ごと引き継いでいきたい気持ちです。

職場で取材を受ける石原代表と片野さん

直近の案件ですと、片野さんにはJR長崎駅アミュプラザ新館館内屋上の植栽施工管理を任せています。花屋も新たに出店しまして、彼を通して長崎の花のマーケットを大きくしてもらっています。